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失敗事例から学ぶ!社内ラジオを「つまらなく」しないための注意点

takama

社内ラジオを始めたものの、「社員が聞いてくれない」「盛り上がらない」「期待していた効果が得られない」といった失敗を経験する企業も少なくありません。

ラジオは楽しいもの、社員同士をつなげるツールでありたいですが、勘所を間違えるとつまらなくなります。そこで今回は、よくある社内ラジオの失敗事例を紹介し、それを防ぐ方法を考えてみます。

「社内ラジオが盛り上がらない」と心配に感じることもあるでしょう。参考になれば幸いです。早速行ってみましょう。

記事を書いた人

高間 俊輔

株式会社オフィスエンニチ 代表取締役


リスク回避の「無難ラジオ」

社内ラジオには複数の担当者が関わることが一般的です。その中には、役職者や社内に影響力のある人物も含まれることがあります。このようなチーム構成では、ラジオ内容が「無難すぎる」方向に進みがちになります。

たとえば、

「このくだりは刺激が強いからカット」

「社員の反感を買うかもしれない」

「誰かを傷つけるかも知れない」

尖った部分や、面白い部分は多くの場合、削られてしまいます。

誰かをイジる必要はないのですが、ピリッとした部分を全カットすると、面白くなりにくく、印象も残らない“カドの取れた”ラジオになります。絶妙なバランスの取れたトークは、リリースしながら少しづつ間合いを取っていく感じです。

問題点
社員は社内ラジオを「情報源」としてではなく、娯楽、息抜きと捉える傾向があります。これはどの会社の社内ラジオでも同じ傾向にあります。社内報の形を取るエンタテイメントなのです。

「リスク回避」の結果、「連絡事項」ラジオにならないようにしましょう。とはいえ、リスク海保は必要なのです。程々に・・・。

解決策

  • トークに「責めた部分」を残す:多少意外性のある話題や、裏話的な内容を意識的に入れる。
  • 社員の関心に寄り添う:「これを話したら社員はどう反応するだろう?」という視点でテーマを選ぶ。
  • 編集しすぎない:やりすぎると、自然なトークの良さが消えます。「えー、あのー」も機械的にカットしないようにしましょう。程よいライブ感を残す感覚は大事です。

失敗パターン2:心理的安全性が担保されていない

社内ラジオの出演者が安心して話せない環境では、「綺麗なコメント」が並ぶことになります。

「趣味はスポーツ観戦です」

「家族と旅行に行くことです」

ここを掘り下げていくのが楽しいのですが、それ以上出てこない。「大谷翔平が打ったら盛り上がります」

などのエピソードはどうにも無難で、だれもが否定できないので、意外性がありません。

出演者が「こんな発言をしたら上司や社長に何か言われるのではないか」と恐れている場合、当たり障りのないコメントだけになりがちです。

さきに紹介した「無難ラジオ」は事務局によるものですが、こちらは社員ゲストの方によるものです。事務局が保守的・ゲストも保守的だと、もうあかん・・・多くはないですが、なくはないです。もう、まったく面白くありません。

問題点
心理的安全性がない状態では、出演者の個性や率直な意見が出てきません。これにより、ラジオが「台本の読み上げ」のような堅苦しい雰囲気になってしまいます。それなら、いっそのこと、AIに読んでもらいましょう。

解決策

  • 心理的安全性を作りましょう。ラジオは向きません。まずはチームから始めましょう。

失敗パターン3:パーソナリティ同士の相性が良くない

社内ラジオは、パーソナリティ同士の掛け合いやトークの雰囲気が重要です。しかし、パーソナリティの相性が悪い場合、会話が盛り上がらず、リスナーにとって退屈な時間になってしまいます。たとえ相性が悪くなくても、「ベストマッチング」ではない場合、トークがあまり盛り上がりません。盛り上がらないトークは、「説明」や「講義」のようになりがちです。

問題点
リスナーはラジオに情報ではなく「楽しさ」を求める傾向にあります。(ポッドキャスト番組は別かもしれません)パーソナリティ同士のやり取りが盛り上がらないと、聞き手も退屈してしまいます。

解決策

  • 相性を考慮したキャスティング:パーソナリティ選びの際、性格や会話のテンポが合う人を組み合わせる。
  • 話すテーマのバランスを工夫:異なるキャラクター同士の場合、それぞれの個性が活きるテーマを選ぶ。
  • トーク練習を重ねる:事前に何度か話し合い、会話のテンポを調整することでぎこちなさを減らす。

失敗パターン4:無理に盛り上げようとして「滑る」

ラジオを盛り上げようと、無理にテンションを上げたり、過剰に面白さを狙った発言をした結果、盛大に滑る。いわゆる「滑り芸」であればそれも味になりますが、場が凍るような滑りは、リスナーを遠ざける原因になりかねません。

問題点
無理に笑いを取ろうとすることは逆効果になる可能性が高いです。お笑いを専門にしているわけではありません。「面白くしなければ」というプレッシャーを感じる社員はいますが、不要です、と優しく伝えましょう。

解決策

  • 自然体を重視:無理に笑いを狙わず、出演者が自分らしい話をする方がリスナーに響きます。
  • 滑りを味に変える:もし滑ってしまっても、「今のはひどいですね」と自分たちでツッコむなど、滑ったこと自体をネタにする工夫を。
  • 盛り上げ役を設定:盛り上げ上手なパーソナリティを配置し、話の流れをサポートさせる。

まとめ:失敗事例から成功のカギを学ぶ

社内ラジオが失敗する原因は、「リスクを恐れる」「心理的安全性の欠如」「相性の悪いキャスティング」「無理な盛り上げ」の4つがありました。他にも有るかも知れません。

しかし、これらの課題はどれも工夫次第で乗り越えられるものです。

社員が楽しめるラジオを作るためには、トークの自由度を高め、出演者がリラックスできる環境を整えることは意外と重要。お菓子やコーヒーは意外な力になってくれます。私は日本代表のラグビー選手にインタビューをしたとき、駄菓子のイカを食べながら収録したことがあります。

無理に盛り上げようとせず、自然なやり取りを大切にすることで、聞いている社員も心地よく感じられる番組が生まれます。失敗を恐れず、少しずつ改善を重ねながら、自社に合った社内ラジオを作り上げていきましょう。

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