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「社内ラジオ」はサークルやクラブ活動、お稽古事の教室にも

takama

学生時代、京都の大学で学んでいました。やはり、古都。町中に能楽堂があり、大学のサークルにも能楽部が普通にありました。茶室も点在し、茶事に欠かせない和菓子の老舗や茶道具を扱うお店もあちこちにありました。

そんな環境もあったのか、高校時代にテニス部だった友人がふと、「能楽部に入ろうかな」と。てっきり大学でもテニスを続けるのだろうと思っていただけに、なぜに能楽部?と思わんでもなかったですが、そこはそれ、京都という古の都がなせるわざかも。

入部から半年、秋の文化祭で友人の初舞台。「見に来て」とお誘いを受けました。友人は謡(うたい)のメンバーの一番後ろで緊張した面持ちで座っていました。

初めての能鑑賞。開始30分もすると・・・。

私にとっても初めての能鑑賞。最初の方こそ「しっかり見ねば聞かねば!」と意気込んでいたのですが、30分も経つと眠気が。。。音楽のライブとは違い、厳かで静かに進むプログラム。つい睡魔に襲われてしまいました。「いかんいかん、しっかり見ねば」と思えば思う程、眠りに引きずりこまれ、とうとう、こっくりこっくりと。

ハッと目を覚ました時には、友人の出番は終わっていました。終演後「どうだった?」と聞かれて、「良かったよ」としか答えられない自分を大いに恥じました。(恥)

「心地よさに眠ってしまってもいいんです」

初能体験がトラウマ(?)になった私は、現在まで能の公演に足を運ぶことはありませんでした。せっかく古都に学んだのにモッタイナイ。そんな私の思い込みを一本の記事が覆してくれました。

朝日新聞土曜別刷「be」(2024.12.14)の中の「私のThe Best!」という連載。能楽師の観世三郎太さんがインタビューに応えてこうおっしゃっていたのです。

謡の言葉は古語なので、聞き取れなくて当たり前。公演チラシには大抵、短くまとめたストーリーが書いてありますから、それで少しだけ予習して、あとは舞や囃子(はやし)の非日常に、ただ身を任せれば大丈夫。心地よさに眠ってしまってもいいんです。

読んだ途端「そうなのぉぉ~?!」と叫んでました。「眠ってもいい」、初めて聞きました。こういうことって、能を学ぶ人はご存知なのでしょうか?

たやすい芸事はありません。なので恐らくなのですが、一生懸命学べば学ぶほど、お客さんにも一生懸命見てほしい、「ちゃんと見てほしい」と思う。それが却って能や伝統芸能を知る/親しむハードルを上げているのかもしれません。

もし、「眠っちゃってもいいから、一度見に来て」だったら気楽です。「いっぺんくらい行ってみようかな」と思う人も増えそう。結果、鑑賞者の裾野を広げられそうです。

ただ、そういう話は、お稽古場ではされにくい。でもアンオフィシャルな「サークル内ラジオ」とか「○○教室ラジオ」で、「聞いといてなぁ~」程度に話されたらどうでしょう?

「あ、そうだったんだ」、「じゃ、今度の発表会、そう言って友達を誘ってみようかな」と思ってもらえそうです。結果、見に来てくれる人が増えたら、◎ですよね。

社内ラジオは“中の人”が案外知らないことを伝えられる

灯台下暗しではありませんが、組織(公私問わず)の中にいると、案外自分たちのことが見えてないし、情報も共有されてません。

しかし実は、共有されない事の中にこそ、大切なことが眠ってる。

社内ラジオ(会社組織ではなくても)を通じて、それを掘り起こし、伝えることができれば、外に対しても良い影響を及ぼすことができる。社内ラジオはどんな組織にもお勧めしたいですね。

記事を書いた人

堀 美和子

おもしろPR
プロデューサー

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